医療の質向上をめざした医薬品情報




 今年の4月から、薬局が医療提供施設として医療計画における医療連携体制に位置付けられました。また、同時に薬局における安全管理体制等の整備や在宅医療推進のための患者宅での一部調剤の容認など、体制整備等に関連したいくつかの法律改正も行われました。これらのことは、少子高齢化社会を目前に控え、薬局薬剤師が地域医療の担い手としてより一層努力し、国民の健康を守っていかなければならないことを意味しています。薬剤師として医薬品に係わる医療安全を確保し、質の高い医療を患者に提供するように資質の向上に努め、専門職としての役割を充分に果たしていくことが社会から強く期待されています。昨年からスタートした薬学教育6年制もまさにこのニーズを反映したものと言えましょう。 



 このたび、7月7日(土)・8日(日)に北海道大学学術交流会館(札幌)で開催いたします第10回日本医薬品情報学会総会・学術大会では、これらの変化に応えるべく、メインテーマを「医療の質向上をめざした医薬品情報」とし、資質の向上のためには今後どのようにしていかなければならないか、医薬品情報の観点から参加者の方々と共に考えることにしました。 



 そのため、3つのシンポジウムを用意いたしました。まず、1つめのテーマは、「卒後の医薬品情報教育を考える」として、薬剤師の資質向上のためには何をどのように勉強していかなければならないか、卒後教育の観点から探ることにしました。ここでは参加者の皆さんと共に生涯教育の重要性について考えていきたいと思っております。2つめのシンポジウムは、専門性を発揮するために必要とされるものは何かを探るために「薬剤師の専門性を支える医薬品情報」というテーマにしました。ここでは、全国でご活躍中の専門薬剤師の方々にご講演いただき、各事例についてご紹介いただく予定です。そして3つめのテーマは、今年、改正となった医療法の内容を中心に「セルフメディケーションと一般用医薬品の情報」としました。今回の医療法改正に伴い実際にどのように実践していけばよいのか、参加者の皆さんと共に熱く討論したいと思っております。 



 また、その他に医薬品情報を活用する能力のさらなる向上をめざして、特別講演と教育講演を用意いたしました。情報を正しく評価する能力を磨くために、北海道大学医学研究科の櫻井恒太郎先生に「医薬品情報とEBM―プロの技能はどこに必要か―」というタイトルで特別講演を、さらに情報収集のスキル向上のために、アメリカFDAでご活躍中のDeborah F. Yaplee先生に「How to get Drug Information from the FDA/CDER Webpage」という内容の教育講演をお願いいたしました。 



 以上、プログラムについて簡単にご紹介させていただきましたが、お陰様で日本医薬品情報学会の大会も今回でちょうど10周年を迎えることができました。この記念すべき開催が今後の日本における医療の質向上に大きく貢献いたしますことを、そして参加者の皆様にとって思い出深い素晴らしい大会になりますことを心から願っております。 






第10回日本医薬品情報学会総会・学術大会 大会長




黒澤 菜穂子(北海道薬科大学 教授)