第11回日本医薬品情報学会総会・学術大会の開催にあたって




第11回日本医薬品情報学会総会・学術大会 大会長 小清水敏昌
順天堂大学医学部附属浦安病院






 日本医薬品情報学会が産声をあげたのは、1998年の5月ですので本年で11年目を迎えたことになります。長年にわたり論議されてきた薬学教育の6年制が始まり、今後の教育の成果に期待が寄せられています。そこで、今回のテーマを「新たなる出発(たびだち)、医薬品情報学の未来へ」とし、次の10年間における医薬品情報学の更なる展開を期待しての位置づけと致しました。
 本学会では特別講演として自治医科大学学長 髙久史麿先生に「これからの医学の目指すところ―医のこころ、薬のこころ」という演題でご講演をお願い致しました。同様に、日経BP 社の宮田 満先生に「ゲノム情報は医療現場にどう応用されていくか」をお願い致しました。教育講演は弁護士の三輪亮寿先生に「医薬品情報伝達上の法的留意点」を、厚生労働省大臣官房 富永俊義先生に「最近の海外における医薬品の規制当局の動向」を各々お願い致しましたので、ご期待ください。また、シンポジウムについては「ゲノム研究から得られた情報と医薬品開発の未来」、「これからの医薬品情報学に必要な教育とは」「患者こそ医療の“主役”―患者の経験を次の医薬品情報に活かすには―」「医薬品情報認定薬剤師を考える」という4テーマを企画しました。
 一方、ワークショップとして「医薬品情報学の研究とは何か?医薬品情報学は社会に何を発信するのか?医薬品情報学のビジョンを語ろう!」を設け、大いに議論して戴くように致しました。
 この2日間、医療現場で医薬品情報業務等を行っている薬剤師、薬科大学等での医薬品情報学の教員をはじめ、企業、行政の医薬品情報関係者にもご参加戴き大いに討論し、共に研鑽を積みたいと考えます。今回の一般演題については、61題にも上り過去最高の演題申し込みになりました。改めて演題応募の方々に厚く御礼申し上げます。4年振りに東京で開催する会場は、東京以外からもアクセスしやすいお台場にある東京ビッグサイトにしました。
 この学術大会を実りある大会にするためにも、多くの方々のご参加と活発なご討論をお願い申し上げます。


2008 年7月